Q1 |
昨年くらいから日本でグリーンITという言葉が脚光を浴びてきました。5、6年前に総務省さんから環境に関する提言があったことを覚えているのですが、それ以降、地球環境問題に対する目立った政策はなかったように思います。グリーンITが急に復活したのは国の政策に変化があったからでしょうか?
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A1 |
グリーンITの背景となる、ITによる電力消費に対する問題意識は以前にもありました。例えば国内でもNTTデータのようなデータを多く扱う企業は、今は未だ規模との見合いでも電力が安いからいいが早晩は大変な課題になるといち早く気付かれ、先見の明を持って研究を始めておられました。少しずつ予兆があったのは3、4年前からでしょうか。
国の政策という面では、京都議定書によって1990年よりもCO2排出量を6%減らさなければならないことが決まっていますが、未だ目標は達成できておらず、エネルギー消費を抜本的に削減しなければ、他国からCO2排出権を買うことしか選択肢がなくなってしまいます。これには多大なコストがかかります。
そして洞爺湖サミットが開催され、京都の次の枠組みをどうするかで世界中が議論をしています。このような背景で、これから電力消費が急増しそうだ、それを抑える切り札としての「グリーンIT」が脚光を浴びるようになったのでしょう。
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Q2 |
2020年という目標は、結構近いようで遠いように思います。IT機器の省エネ、あるいはその利用によって削減できる電力といっても、効率のベースが時とともに変化するのではないでしょうか?環境効率や環境負荷の指標をどのように考えていらっしゃいますか?
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A2 |
ITの電力消費効率については、今まで通りに省エネ技術が進み効率も少しずつ高まることを前提に試算しています。今後は、省エネの観点からどのようなIT技術が有効であるかというロードマップも、グリーンIT推進協議会で検討される予定です。
グリーンITの評価指標としては、現在検討中です。環境への貢献を評価するかということに対し、単純に生産段階でCO2を出すのが悪いということではなく、生産されたIT機器が環境にどれほど貢献するかということも総合的に評価できる枠組みにしたいと考えています。
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