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第98回 2009年2月6日(金)
『欧米の先進メディア事例に
学ぶ2009年日本メディア業界
の将来図』
トムソン・ロイター・ジャパン
メディア事業部
ゼネラルマネージャー
楠山 健一郎 氏
共催パートナー募集!!
第64回「Eビジネス研究会」 平成18年1月13日(金)
テ ー マ:
『RSS/Atom Feedの普及によってメディアビジネスはどう変わるか?』
〜Web2.0時代のネットサービスとは何か〜
Eビジネス:
マイスター
サイボウズ株式会社
ネットサービス部 ジェネラルマネージャー
小川 浩 氏
当日の様子はこちらから
当日の資料(抜粋版)はこちらから
64回目の今回は、サイボウズ株式会社 ネットサービス部の小川浩氏をお迎えし、「Web2.0」時代に入りネットサービスはどう変わったか、またRSS/Atom Feedの普及による従来型サービスへの影響などについてお話いただきました。
■「Web1.0」から「Web2.0」へ
「Web2.0」とは、ブログやRSS/Atom Feedなどの登場により構造的なネットワークとなった、現代のインターネット環境のトレンドを表す用語です。これに対し、90年代後半、ウィンドウズ誕生の頃のインターネット環境を「Web1.0」と呼びます。
「Web2.0」を語る上では、「Web1.0」時代に比べインターネットの環境にどのような変化があったのか、またそのインパクトと方向性はどんなものであったかという点に終始すると思います。
中でも重要なのは、変化の方向性です。「Web2.0」の未来は、一言で言うと「構造化が進むことによって、Web自体がデータベース化していく」方向に向かって進んでいます。そもそもWebとは、HTML文章の中にURLを入れて、それを別のサイトとリンクしていくネットワーク(いわゆるハイパーリンク)のことを言います。
ところが、HTMLそのものは非常に曖昧なもので、人間の目で見てきれいに見えることを優先しているため、プログラム同士をつなげようとした場合、実は様々な問題が生じています。これまでWebを作ってきたプログラマーは、こうした「リンク切れ」を解消するための仕事をしてきたといっても過言ではありません。
加えて、HTMLは単なる「表現をするための一方法」にすぎず、プログラム的にWebの中身を理解することができません。したがって、一つ一つのWebを人間が見なければその意味が分からないため、データベースとしては不十分なもので、ここまでが「Web1.0」の環境といえます。
一方、「Web2.0」はどうかというと、HTMLで作られたネットワークの中に、「XML」と呼ばれる純度の高い記述方式が大量に入り込んだネットワークになっています。当然、データベースとしての信頼性も非常に高いものです。「Web2.0」の環境では、人間の目から見て見えることはもちろん、ネットワーク的につながりがあるので、どこから入っていっても目的とするサイトに辿り着くことができる仕組みです。こうした環境変化が、「Web1.0」と「Web2.0」の間には存在します。
■ブログにより加速したWebのデータベース化
では、なぜインターネットのトレンドが「Web2.0」へと移行したのでしょうか。これにはいくつかの要因がありますが、最も大きな要因は「ブログの登場」でしょう。ブログは、HTMLを必要としない簡単なツールであることから、参入障壁が低いという特徴があり、どんな人が書いた文章でも基本的にXHTML(HTMLをXMLの定義で作り直した新しいプログラム)で作られています。したがって、シンプルでありながら非常に構造的で、プログラム同士がつながりを持っているのです。
さらに、ブログは「RSS/Atom Feed」と呼ばれる、更新するごとに通知する機能を持っています。これらの機能も同様にXMLで作られているものです。このように、XMLを使うことによって、サイト同士でデータの利用が可能になります。ブログの恩恵によって、Webのデータベース化はますます進み、その信頼性も高くなっていきます。
また、もう一つの信頼性を上げている要因としては、「パーマリンク」と呼ばれるものがあります。一つ一つのブログ記事に対して、特定のURLを作ることで、ブログの中でもWeb同士がリンクしているのです。こうして細かいリンクがたくさん貼られることによって検索性がよくなり、ユーザー同士が情報に対する新しい付加価値をWebに付けているのです。
以上のように、「Web2.0」では、Webが構造的なネットワークとして機能していることがお分かりいただけたと思います。ところで、実はこのメリットを最も大きく受けていて、かつWebの構造化を進める大きな要因となっているものが他にあります。それはGoogleを中心とした検索エンジンの存在です。
今やあらゆる検索エンジンが、Webの構造化に注目しています。例えばGoogleを例に取ると、いわゆる「ページランク」と呼ばれる、リンク先の多いWebや閲欄の多いWebからのリンクを高く評価する仕組みによって、検索性を上げることを提唱しました。これにより、Web全体が「ネットワーク」として拡大し続けていくのです。
■「Web2.0」的サービスとは
「Web2.0」の概要は、大体お分かりいただけたと思います。ところで、この「Web2.0」の名付け親は、ティム・オライリーというあるアメリカの出版社の社長です。彼は「Web2.0」的なサービスを提供する企業の条件について、以下の7項目を挙げています。
1.パッケージソフトではなく、サービスを提供していること
2.データソースのコントロール(提供・流通・ユーザーへの貢献)をしていること
3.ユーザーのデータベースを信頼して使い、たくさんのフィードバックを得ている
こと
4.ユーザーから提供されたデータベースを使って、新しいデータベースを作って
いること……フォークソノミーの考え方に基づく
5.ロングテール……個人の趣味趣向に焦点を合わせて商売を展開する方が、
息の長いものになる。
6.マルチプラットフォーム・マルチデバイス……プラットフォームは何でもよく、
Webの上でサービスを展開していることが重要。
7.サービスの開発から実施までの、スピード化が図られていること
■Feed型、ブログ型のメディアへ
「Web2.0」における技術要素には様々なものがありますが、次にFeedが生んだWeb上のトラフィックの変化と、既存のポータルやニュースサイトの危機的状況について述べていきたいと思います。
まず、メディアをユーザーがどのように見ているのか、ということについてお話します。Web誕生以前の時代のメディアは、新聞が主役でした。とはいえ、大半の人はある一紙を購買して読み、何紙も新聞を取っている人は稀だと思います。
その後、Webの誕生(Web1.0)により、インターネットの環境があればいくつもの新聞サイトを見られるようになったわけですが、「Web2.0」時代に入った現在、ユーザーは今までとは全く違った行動を取るようになります。言うなれば、RSSリーダーの登場により、個々人がキーワードを集めてカテゴリーごとに関連した記事を読むようになったのです。
こうして、個々人がポータルを作るようになったことで、あらゆるポータルサイトが「パーソナライズ・ポータル」の分野に参入するようになりました。その仕組みは、RSSリーダーの機能をポータルサイトに取り込み、Ajaxを使ってレイアウトなどを自由に変えられるような、リッチなインターフェイスをかぶせた新しいポータルの仕組みです。昨年発表があったマイクロソフトのWindows Liveはそのいい例です。
今後、メディアに対する個人のニーズは、上記のようなFeed型、ブログ型のメディアに変わり、各個人が好きなWebのアプリケーションを使い、キーワードを登録するだけでパーソナルなメディアを構築していく時代に入っていくと思います。
そこで、既存のポータルがこの変化にどう対応するかということが問題になります。しかし、その答えは2つしかありません。一つは自分たちも同じように、パーソナライズされたメディアに進化していく方法、もう一つはマイクロコンテンツを配信することによって、ロングテールで自分たちの売上を上げていく方法です。これが小川氏がいま考える、メディアビジネスに対する結論なのです。
● 質疑応答
Q1
ブログラインズを使っているのですが、面白いブログをどんどん登録していくと、自分の中で整理の仕方というのが大切になってきます。この「コツ」みたいなものはありますか?
A1
例えば、現在サイボウズにおいて我々が開発中のFeed Pathには「スマートサイドバー」というのがあります。これを使うと、うまく整理できます。このバーは、Feedが入ってきているものを自動的に上に持ってくる仕組みになっています。Feedを登録する時に一番困るのは、カテゴリーを作りすぎて、整理ができなくなってしまうことです。このバーを使って、上から順にクリックしていけば、自分の見たいもの、大事なものを優先順位にしたがってすばやく見ることができます。
Q2
Feedリーダーを使うことによって、例えば、今のように大手だけでなく、中小の小売店が商品に関する情報を配信することも可能になると思います。それによるビジネスチャンスの拡大について、何かお考えはありますか?
A2
Eコマースをやる時に何が一番問題になるかというと、本当にその店から品物が届くのかということだと思います。ペイメントシステムが小口課金の方式を持つことによってこの問題を補足できれば、マイクロオンラインショップなどは可能だと思います。しかし、いずれにしても、我々は楽天さんなどの様に、その領域までいくことは考えていません。
2006.1.13
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